「スモールステップ」とは、目標を細分化して簡単な内容から小刻みに達成していくことで、最終目標に近づいていく育成手法です。アメリカの心理学者バラス・スキナー氏によって提唱されました。当初は教育現場や心理療法に使われていた手法ですが、現在では子育てから人材開発まで、幅広いシーンに応用されています。
スモールステップのケーススタディ
部下の「できない」をスモールステップで細分化
できないストレスを、できた喜びに
上司に呼び出され、いきなり「今年の新卒採用は、昨年の10倍の100人を採用する」という指令を下されたとします。あなたが採用担当者なら、どうしますか。途方もない目標に圧倒されてしまい、尻込み、委縮してしまうかもしれません。
しかし、「100人採用」という大目標をブレイクダウンしていくと、「100人採用」→「200人内定」→「2000人面接」→「1万人エントリー」といったようなアクションに分解することができます。
もちろん、実際にはこんなにうまくいくとは考えられませんが、「1万エントリー」の先には「合同説明会で100人の学生と話す」「SNSを使って学生と交流する」「就職情報サイトのDM機能を使う」など、さらに一日単位にまで行動を分解することもできます。これらを一つひとつ達成することは「100人採用する」という最終目標と比べれば、難しくないと感じられるのではないでしょうか。
このようにスモールステップは自分自身の目標管理に有効ですが、部下の指導などにも活用することができます。その際、目標をどのように細分化するかを見極めなければいけません。部下がなぜ「できない」と感じているのかを的確に分析し、「できた」という実感を得られるようなスモールステップに落とし込んでいくのです。
例えば、スケジュール管理が苦手な部下がいたとします。その部下は、しばしば会議があることを忘れ、遅刻しがちでした。原因を探ると、部下は紙のスケジュール帳を使っているため、頻繁に入れ替わる予定に柔軟に対応できていないことがわかりました。スモールステップの原理を使って指導するなら、次のようなやり方が考えられます
- スケジュール管理をサービスやグループウェアのカレンダーに切り替えさせる
- スケジュール管理の意識を高めさせるため、チェックボックスを使って終わったらレ点をつけさせる
- 会議があることを意識させるため、会議開始時に「チェックイン」を設け、全員に一言話す機会を与える
人はそれぞれ得意なことがあれば苦手なこともあります。他者の違いに対して忍耐力を持ち、スモールステップという仕組みでの解決を探ってみましょう。
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June 28, 2020 at 05:01PM
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