昨年は事故物件の世界でも、様々な変化が起きた1年でした。ここまで、日本最初の「コロナ殺人」や、昨年幕を閉じた「受験殺人事件」などについてお話ししてきましたが、次は今年、引っ越しの場面などで役に立つかもしれない「おとり広告と事故物件のカラクリ」について、その裏側をご紹介しましょう。(全2回の2回目/前編から続く)
「良い物件だな」と思って問い合わせたら……
コロナの影響で先行きは不透明ですが、4月になれば大学進学や就職を機に、これまでとは違う街へ引っ越す人も多いはず。インターネットでその街の物件情報を調べ、良さそうな部屋があれば仲介業者に連絡し、内見してみる――これが物件探しの主なパターンではないでしょうか。
しかし、そうした場面で「おとり広告」に引っ掛かってしまう人も、あとを絶ちません。オンライン全盛の今の時代でも、やはり業者としては一人でも多くの人に店舗まで来てもらいたい、というのが本音です。
カウンターを挟んで一対一で向かい合い、「今決めないと誰かに契約されてしまいます」「まさに検討中の人がいるようです」といった営業トークを行うほうが、最終的に契約まで持っていける確率が格段に高いからです。また、オンラインでは「退室」もクリックひとつで簡単に、客のタイミングでできてしまいます。そうした面からも「とにかく店に来てほしい」という事情が業者にはあるのでしょう。
「ついさっき契約が入ってしまったそうです」
ただ、そのために、実際は契約済みの物件を「おとり広告」としてページに掲載し、その情報を見て来店した人に「残念ながらついさっき契約が入ってしまったそうです。ただ、それ以外にも良い部屋がたくさんあるので、紹介させてもらえますか」などと言って客を囲い込む、いわゆる「釣り物件」の問題もよく指摘されます。酷い場合には、そもそもそんな物件など存在していなかった、というケースもあるようです。
これは不動産業界における“あるある話”の一つなのですが、とはいえ最近はネット上でその問題を指摘する人も多く、客側でも「5分前に契約が入ったというのは、さすがに嘘じゃないか」と、露骨な釣り物件に気づく人も増えてきました。端的に言えば、ネット社会になったことで、おとり広告がバレ始めているのです。
からの記事と詳細 ( 「実はこの部屋、事故物件なんです」は本当? 大島てるが明かす“不動産業者のおとり広告テクニック” - 文春オンライン )
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