京都・蓮久寺の三木大雲住職のもとには、助けを求める人が絶えない。ポルターガイストに悩まされている、人形をお祓いしてほしい、さまよう霊を供養成仏させてほしい……。
そんな実話や自身の体験など、現代の怪談、奇譚の数々を収めた「怪談和尚の京都怪奇譚 幽冥の門篇」(文春文庫)が刊行された。
今回は三木住職がある女性から相談を受けた“奇妙な実話”を公開。見えない世界に触れることで、あなたの人生も変わる……のかもしれない。(全2回の1回目/後編へ続く)
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夜になると、どこからともなく若い女性の声が
このお話は、私がAさんという女性からお聞きした話です。Aさんは、自分の住んでいるアパートで非常に多くの怪奇現象が起こるということで、お寺に相談に来られました。
私が詳しく内容をお尋ねすると、こんな話を聞かせてくださいました。
Aさんは一人暮らしでアパートの5階に住んでいるのですが、時々夜になると、どこからともなく若い女性の声がする。その女性は何かを話しているようですが、その内容まではわからない。
また別の日は、部屋に帰ると閉じていた本が開いていたり、置いていたコップの位置が変わっている。
決定打となったのは、ある日の夜、仕事を終えて自宅に帰る途中のことでした。
Aさんが、ふと外から自分のアパートを見上げると、5階にある自分の部屋のベランダにまったく見たことのない、若い30代前後の女性が立っていたそうです。
ベランダの女性も明らかにAさんに気づいた様子で、ずーっと見つめている。Aさんは怖くなって、すぐに管理人さんに事情を話して一緒に部屋に行きましたが、誰もいない。いないどころか、人がいた形跡すらそこにはなかったそうです。
一通りAさんのお話を聞いて私はこう尋ねました。
「いつからこんなことが起こったのですか?」
「あ、もしかしたらこれがきっかけかな」
実は、Aさんはある落とし物を拾ってからこういう現象が起こり始めたそうなのです。
「その落とし物はなんですか?」
「お財布を拾いました」
「それはもう警察にお預けになったんですか?」
「実は、届けていないんです」
からの記事と詳細 ( 部屋のベランダに見知らぬ女性が…ある“落とし物”を拾った女性の恐怖体験の結末 - 文春オンライン )
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