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Sunday, April 24, 2022

知床の観光船事故 これまでに見つかった10人の死亡確認 |NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp

23日、知床半島の沖合で乗員・乗客26人が乗った観光船が遭難した事故で、これまでに救助されていた男女あわせて10人の死亡が確認されました。海上保安本部が身元の確認を進めるとともに、現場海域の周辺でほかに人がいないか引き続き捜索にあたっています。

23日、斜里町ウトロを出港し知床半島の沖合を航行していた観光船「KAZU 1」から(カズ・ワン 19トン)「船首が浸水し沈みかかっている」と救助要請の通報がありその後連絡が取れなくなった遭難事故では、子ども2人を含む24人の乗客のほか斜里町に住む豊田徳幸船長(54)と甲板員で東京・調布市の曽山聖さん(27)のあわせて26人の行方が分からなくなっています。
海上保安庁や災害派遣要請を受けた自衛隊などが斜里町の「カシュニの滝」近くの海域で捜索を続けた結果、24日、これまでに知床岬の先端付近の海上や岩場などであわせて10人が相次いで救助されました。
第1管区海上保安本部によりますと、10人は病院に運ばれるなどしましたが、その後いずれも死亡が確認されたということです。
亡くなったのは男性7人、女性3人で、いずれも大人とみられるということです。
海上保安本部が身元の確認を進めるとともに現場海域の周辺でほかに人がいないか引き続き自衛隊などと合同で捜索にあたっています。

【”忠告したが出港”】
この事故で、地元の漁協の組合長が取材に応じ、観光船が出港する前、「船長に対し波が高くなるから出港しない方がいいと忠告したが出て行ってしまった」と当時の状況を証言しました。
斜里町にあるウトロ漁協と斜里第一漁協は24日午前6時半からあわせて10隻の漁船を現場の海域に出して捜索を行いました。
ウトロ漁協の深山和彦組合長は、観光船が出港する前の状況について、「組合員の漁業者が観光船の船長に『きょうは波が高くなるから出港しない方がいい』と忠告したが、船長は『波が高くなったら港に戻るから大丈夫だ』と言って出ていってしまった」と証言しました。
24日の捜索については、「昼ごろ現場海域の近くで遭難した観光船の名前が書かれた2メートル四方くらいの救命いかだを見つけたが人は乗っていなかった。行方不明者の家族が納得できるまで捜索を続けたい」と話していました。

【他社に先駆けて運航開始】
知床斜里町観光協会によりますと、消息を絶った観光船「KAZU1」を所有する運航会社の「知床遊覧船」では23日、ほかの運航会社に先駆けて今シーズンの運航を始めたばかりでした。
「知床遊覧船」のホームページによりますと、知床半島を周遊する観光クルーズは知床岬で折り返すコースなど所要時間がおよそ3時間かかるものから1時間のものまで3種類あり、今回遭難したとみられる「KAZU1」は最長の3時間かかるコースを運航していました。
観光協会によりますと、斜里町の観光客数は3年前の2019年には116万人あまりにのぼっていました。
しかし新型コロナウイルスの影響もあって、おととしと去年はいずれも60万人あまりとコロナ前のおよそ半分にまで落ち込んだということで、この春の行楽シーズンに合わせて観光クルーズなどを呼び物に客足の回復が期待されていました。

【会社と国が家族説明会】
この事故で、行方不明になっている乗客の家族などを対象に会社や国の担当者などが斜里町で説明会を開きました。
説明会は斜里町内の施設で24日午後から行われ、観光船の運航会社の社長のほか、斜里町の馬場隆町長、それに国土交通省や海上保安庁の担当者などが出席しました。
説明会のあと、馬場町長は取材に応じ「20人あまりの家族が出席し、捜索に関する情報が入ってこないことに強く憤っていると言われた。このため今後は、1日3回説明会を開くことにする」と説明しました。
町長によりますと乗客の多くは道外の関東や関西、それに四国や九州地方から訪れていたということです。
また、説明会で運航会社の社長が家族に謝罪したのに対し、家族からは「しっかり責任を持って対応してほしい」などと厳しい声が上がっていたということです。
馬場町長は「10人の方が犠牲になり、大変残念なことになってしまったが、まだ見つかっていない人たちが元気なかたちで発見されることを願うしかない」と話していました。

【国土交通省が特別監査】
この事故で、国土交通省は24日、斜里町ウトロにある観光船の運航会社の特別監査を始めました。
特別監査は海上運送法に基づいて行われ、24日午後4時、国土交通省の担当者4人が観光船「KAZU 1」を運航する「知床遊覧船」の事務所に入り調査を始めました。
国土交通省によりますと、この会社が運航し今回事故が起きた観光船は、去年5月には浮遊物にぶつかって乗客3人がけがをする事故を起こしていたほか去年6月にも座礁事故を起こし、会社は国に改善報告書を提出していたということです。
国土交通省は、再び事故が起きた事態を重くみて、法律の基準に基づき運航していたかや船の整備状況は適切だったかなどについて詳しく調べるほか、会社の代表などから聴き取りを行うことにしています。

【D‐MATが活動】
知床半島沖で起きた観光船の遭難事故の現地対策本部が置かれている斜里町役場ウトロ支所では、24日午後4時すぎ、網走厚生病院と北見赤十字病院のDMAT=災害派遣医療チームの車両が出入りし慌ただしく作業をしていました。

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