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Friday, June 23, 2023

広瀬すずが歳年下男子を魅了水は海に向かって流れる - 読売新聞オンライン

広瀬すずが、感情を押し殺して淡々と生きる26歳の主人公を演じた「水は海に向かって流れる」が公開中だ。年下の男子に思いを寄せられる、これまでにない役柄にさぞかし苦労したのではと思ったが、「違和感はなかった。新鮮だったからこそ面白かった」と明かす。

高校1年の直達(大西利空)は、叔父が暮らすシェアハウスに居候することになり、住人でOLの千紗(広瀬すず)と出会う。どういう訳か「恋愛はしない」と宣言し、いつも不機嫌そうな千紗に直達は興味を抱き、やがて淡い恋心を抱いていく。しかし千紗と直達の間には、過去に思わぬ因縁があることが判明する――。

原作は田島列島の同名漫画。出演依頼を受けた際には、制作陣から「一歩間違えるとすごく重い話だけれど、もう少し明るく描きたい。でも、キャラクターの心情の変化もしっかり届けたい」と言われ、意欲が湧いたという。

「今までは分かりやすく重かったり、エネルギッシュだったりする作品が多くて。役柄的にもいつも直達くん側に立っていたこともあり、シンプルに『やってみたい。面白そう』と思ったんです」

撮影時は23歳で、設定は26歳。演じるにあたり「大人っぽくしなきゃ」と考えたが、「そんなに頑張ることでもない」と意識が変わっていったという。「(千紗は)16歳のまま、時間が止まっている部分もあるので気は楽になった。直達くんのことを不意にかわいいなとも思えたりして、役柄と共鳴していきました」

前田哲監督と組むのは初めて。「(私は)本番で生っぽさがどんどん出てくるタイプなんですが、すぐに分かってもらえた」と振り返る。その特長を生かそうとしてか、撮影現場ではリハーサル通りに「カット」の声が掛からず、そのまま演技を続けることもしばしばあったという。「監督はその瞬間、瞬間で生まれるものを見逃さないようにしてくれた。完成版に使ってくれた場面もあって、すごくうれしかった」と声を弾ませた。

2013年春のテレビドラマでの女優デビューから10年。10歳年下の高校生を相手にした本作は一つの転機になったはずだが、「後輩、年下の立場でいる方が楽です」と正直に明かす。ただ、「今までは泣いたり、走ったり、雨に打たれたりするような、かわいそうな場面が1作品に1回はあった。だけど、今回のように淡々と演じられるのもいいですね」とほほえんだ。

時に無邪気な笑顔を見せながら、ハキハキと質問に答える。「何にも考えていない」「まだ3年目くらいの気持ち」と、開けっぴろげに話す言葉の端々に充実感がにじむ。「経験や出会い、タイミング、運。全部そのせいにして、楽に生きています」。どこまでも自然体だからこそ、人々の目を引くのであろう。

(読売新聞文化部 松田拓也)

読売新聞文化部の映画担当記者が、国内外の新作映画の見どころを紹介します
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