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Wednesday, June 28, 2023

イオンPB売上高1兆円へ攻勢 物価高で売り場の顔に大出世 - 日経ビジネスオンライン

 イオンが今春、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の大刷新に踏み切った。新たに掲げたのは、「独自価値商品の創造」である。食品メーカーが手掛けるナショナルブランド(NB)と似たような商品を安く売るのではない。

PBを付加価値型のブランドに転換

 「本当においしい、本当に面白い、今までになかった、とにかくワクワクする商品を、どんどん開発していきたい」。イオントップバリュ(千葉市)の土谷美津子社長は、付加価値型のブランドへの転換を宣言した。

 例えば、「卵改革」と銘打って23年2月に発売したのは「たまごのおいしさまるごとマヨネーズ」(400g・税込み267円)。黄身だけでなく、白身も活用し、マヨネーズ全体に占める卵の割合を増やすことで脂質を削減。「余すところなく卵を使っておいしいマヨネーズができないのか」という土谷氏の「無理難題」からスタートしたというアイデア商品だ。22年10月には、従来の半分の量で調理できる「炒め物専用 キャノーラ油ハーフ」(600g・同429円)をデビューさせている。

マヨネーズは「卵改革」、キャノーラ油ハーフは「油改革」と銘打って展開する

マヨネーズは「卵改革」、キャノーラ油ハーフは「油改革」と銘打って展開する

 この他、有名シェフ監修の本格メニュー「プロのひと品」シリーズなど新商品を次々と送り出している。22年3月には「プレミアム生ビール」の展開を開始。サッポロビールが製造し、販売1年で約1500万本を売り上げた。

調理の簡単さを訴求する「プロのひと品」シリーズ

調理の簡単さを訴求する「プロのひと品」シリーズ

プレミアム生ビールはNBの定番商品と並ぶ人気に

プレミアム生ビールはNBの定番商品と並ぶ人気に

 なぜ、イオンはトップバリュのてこ入れに動いたのか。食品の値上げラッシュが続く中、値ごろ感があるPBを手に取る消費者が増えているからだ。

 トップバリュシリーズの売上高は23年2月期、9025億円と過去最高を更新した。9兆円超の連結営業収益(売上高に相当)の約1割に相当する。24年2月期はいよいよ大台の1兆円達成を狙う。そのために、全商品の半数に当たる約2500品目を順次刷新することを決めた。

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