大相撲の元関脇寺尾で、17日にうっ血性心不全のため60歳で亡くなった錣山親方(本名・福薗好文)の通夜が22日、都内の錣山部屋で営まれた。二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)、鶴竜親方(元横綱鶴竜)ら親方衆や大関貴景勝、関脇若元春ら現役力士と多くの相撲関係者が参列。一般人も弔問に訪れ、約800人が突然の別れを惜しんだ。

錣山親方の兄の元関脇逆鉾(元井筒親方)の弟子だった鶴竜親方は「寂しいし、悲しい。早すぎますよ」と話し、「僕は最後の後輩であり(錣山親方は)兄貴分でもあり、もう1人の師匠でもあった」と故人をしのんだ。「ケガをしているときも電話をいただいていました」と振り返り、天国で「先代(=元井筒親方の逆鉾)によろしくお願いします」と語った。一方で二所ノ関親方は「今までの感謝の気持ちを伝えました。自分の年齢の時にはまだ現役ですからね。もっと頑張らないと」と話した。

現役力士からは突然の訃報に驚きを隠せない声があった。出稽古に訪れた時の様子を振り返った狼雅は「厳しい稽古場でしたが、教えてもらうことがたくさんあった。稽古が終わると優しく声を掛けてもらったのをよく覚えてます」と懐かしんだ。一方、貴景勝は「若い衆の時に錣山部屋に行かせてもらって、テレビの解説でも自分にタメになることを言っていただいた」と回想。116キロと小兵ながら押し相撲で関脇まで上り詰めた姿を振り返り、「かっこいいというのはもちろんなんですが、本当にガッツがあるところもすごく尊敬していました」。最後に「親方のようにかっこいい力士と次の世代に思われるように励んでいきたい」と誓った。

葬儀・告別式は23日午前10時から同部屋で営まれる。喪主は妻の福薗伊津美(ふくぞの・いつみ)さん。

◆錣山親方の通夜の主な参列者 芝田山親方(元横綱大乃国)、陸奥親方(元大関霧島)、二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)、鶴竜親方(元横綱鶴竜)、九重親方(元大関千代大海)、伊勢ノ海親方(元前頭北勝鬨)、若松親方(元前頭朝乃若)、錦戸親方(元関脇水戸泉)、KONISHIKI(小錦)、下柳剛、舞の海、笑福亭鶴瓶、松村邦洋、貴景勝、若元春、隆の勝、阿武咲、玉鷲、王鵬(敬称略)