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Wednesday, June 26, 2024

【コメ値上がり】米穀店「今までない事態」 品不足の懸念も|あなたの静岡新聞 - @S[アットエス] by 静岡新聞

テーマ : 読み応えあり

 コメの価格が上昇している。一部の飲食店や小売店などでは品薄感も広がり、価格の高止まりを見込む声もある。コメの値上がりは、長年続いてきたコメ余りからの局面転換を意味するのか。

コメの1人当たりの年間消費量
コメの1人当たりの年間消費量

 ▽入荷不能
 「こんなに急激なコメ不足と値上がりは、今までになかった」。東京都練馬区で米穀店を経営する男性は驚きを語る。銘柄によっては、卸売業者も在庫切れで入荷できないという。男性は「秋に新米が出回ると価格は落ち着くだろうが、それまでは高騰が続きそうだ」と予想した。
 国内産がほとんどを占めるコメは、円安や地政学リスクの影響を受けづらく、これまで価格は安定的に推移してきた。同じく主食のパンや麺類は小麦の輸入価格の上昇に伴い、数年前から断続的に値上げを実施。値ごろなコメは「物価高の中で生活防衛の観点から手に取られてきた」(大手スーパー)という。
 潮目が大きく変わったのは5月だ。首都圏を中心に展開するスーパーの広報担当者は「前年同月と比べて販売価格は1キロ当たり100円ぐらいの値上げになっている」と説明。計画通りの数量を仕入れられず「在庫が足りなくなる可能性がある」と不安げだ。
 こうした変化は、生産調整(減反)でコメ供給を減らし続けてきた農業政策の変化に結びつくのか。
 ▽異なる見方
 農林水産省によると、国民1人当たりのコメの年間消費量は1962年度の118・3キロをピークに2022年度は50・9キロまで落ち込んだ。食生活の洋風化も要因とされる。
 坂本哲志農相は、直近のコメ消費は前年より増加傾向にあるとしつつも「消費量の下げ止まりまでは認識していない。人口減少による需要の減少は確実に見込まれる」と指摘。足元の品薄は局地的、一時的で、大きな流れとしてのコメ余りは変わらないとの立場だ。
 だが、政府とは異なる見方を示す業界団体もある。コメ卸業者でつくる全国米穀販売事業共済協同組合は最悪の見通しとして、40年のコメ需要が20年比で41%落ち込むのに対し、生産者は65%減の30万人程度とさらに大幅に減少するとの試算を今月、公表した。国内で必要なコメを生産できなくなる事態に危機感を示し、そうなる前にコメ輸出の振興など「稼げる農業」の後押しを政府に提案した。
 コメは余り続けるのか、足りなくなるのか。答えはいずれ明らかになるが、その前に手を打つことが求められる。

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