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Wednesday, June 10, 2020

センバツ32校甲子園で交流試合|NHK 北海道のニュース - nhk.or.jp

新型コロナウイルスの影響で中止になったセンバツ高校野球に出場が決まっていた白樺学園と帯広農業など32校が、ことし8月に甲子園球場に招かれ、1試合ずつ交流試合を行うことが決まりました。

高野連=日本高校野球連盟は、ことし3月に新型コロナウイルスの影響でセンバツ高校野球が中止となったことを受け、出場が決まっていた白樺学園と帯広農業など32校の救済策を検討してきました。
こうした中、先月20日に夏の全国高校野球の中止が決まり、高野連は甲子園球場が使われなくなった8月中旬にセンバツに出場予定だった32校を招待し、交流試合を行うことを10日の理事会で決めました。
大会は各校がそれぞれ1試合ずつ行う方式で、8月10日から12日までと15日から17日までのあわせて6日間行われ、1日に最大3試合が実施されます。
この交流試合は公式戦として実施し、9回が終わって同点の場合に引き分けとするか延長戦でタイブレークを行うかどうかは、今後検討するとしています。
ベンチ入りメンバーはセンバツや夏の甲子園では18人までですが、今回の交流試合では1人でも多くの3年生に出場機会を与えるため、20人までベンチに入ることができます。
またスタンドには原則として観客は入れませんが、今後、新型コロナウイルスの感染状況を確認しながら保護者や控え部員の観戦を検討していくということです。
組み合わせ抽せんは来月18日にオンラインで行われ、開会式もオンラインでの開催を検討することにしています。

日本高校野球連盟の八田英二会長は10日の会見で、「きょうからは気持ちを新たに部活動に取り組んでもらい、甲子園球場に来てほしい。悔いのないように大会に臨んでほしい。試合終了の声とともにこれまでつづってきた部活動日記に力強く終止符・ピリオドを打ってほしい。気持ちを新たに純白のページに次なる挑戦と題した文章を刻み始めてほしい」と参加する球児にメッセージをおくりました。

【白樺学園】
甲子園球場で交流試合が行われることについて、十勝の芽室町の白樺学園は監督と選手のコメントを発表しました。
戸出直樹監督は「甲子園での交流試合という機会をいただき率直にうれしく思います。本当にありがたく受け止め感謝の気持ちでいっぱいです。生徒のことを考えると感無量です」と話しています。
キャプテンの業天汰成選手は「自分たちのために協力してくれた方々に感謝し、目指していた甲子園でプレーできるので今までやってきたことを全力で出し切りたいと思います」と話しています。
また、エースの片山楽生投手は「小さい頃から目指していた甲子園でもあるので、形は変わってしまいましたが舞台に立てるので非常にうれしく思います。感謝の気持ちをもってプレーし、さまざまな影響で暗くなっている日本に感動を与え勇気づけられる大会にしたいと思います」と話しています。

【帯広農業】
甲子園球場で交流試合が行われることについて、21世紀枠でセンバツ高校野球に出場が決まっていた帯広農業の選手たちからは驚きや喜びの声が聞かれました。
帯広農業の選手たちには練習中に野球部の大久保聡彦部長から甲子園で行われる交流試合に出場が決まったことが伝えられました。
キャプテンの井村塁選手は「びっくりする気持ちでいっぱいでしたがうれしかったです。日本全国の方に感謝したいです。甲子園で試合ができると聞きいままで以上に特別な大会になると思うので意識を高く持って、勝つことにこだわって準備をしていけたらと思います」と話していました。
水上流暢選手は「甲子園でプレーできると知ってうれしいです。自分たちの心も熱くして全力でフルスイングや全力疾走をしっかりやっていきたいです」と話していました。
また、大久保部長は「甲子園というあきらめかけていた願いがかなってものすごくうれしいです。力のあるチームなので甲子園では気持ちで負けないで自分たちの力をしっかり発揮してほしいです」と話していました。
一方、前田康晴監督は「正直すごく驚きました。他の高校球児には挑戦さえできないような機会をいただいたので全力で精一杯やる気持ちを選手たちに伝えたいです。センバツの時の気持ちをもう一度思い出してチャレンジしてほしいです」と話していました。

【日本ハムの選手は】
甲子園球場で交流試合が行われることについて、おととし春夏連覇を達成した大阪桐蔭高校のOBで日本ハムの中田翔選手は、「球児たちにとっては最高の瞬間になると思います。甲子園という最高の舞台で思う存分楽しんでもらいたい」とコメントしています。
また、神奈川県の東海大相模高校のOBで日本ハムの大田泰示選手は、「新型コロナウイルスの影響で自粛期間が続いたこともあり、不完全燃焼な気持ちもあることと思いますが、この経験を自分自身の財産にし苦しかった思いや辛い思いを用意された舞台で気持ちを込めてプレーしてもらいたい。そして、人生の糧にしてください」とコメントしています。

【交流試合開催の経緯】
ことし3月にセンバツ高校野球の中止を発表した際、日本高校野球連盟の八田英二会長は、「選手たちには何らかの形で甲子園の土を踏ませてあげたい」と話し、出場が決まっていた選手たちを救済する考えを示していました。
しかし、その後、新型コロナウイルスの感染が拡大して4月には緊急事態宣言が出されるなど救済策の実現に向けた環境はより厳しい状況となっていきます。
当初、開催を目指していた夏の甲子園も大会に先立って行われる地方大会ですべての代表校を決めることが難しい状況となり、5月に中止が決まりました。
それでも、中止決定の5日後には緊急事態宣言が全国で解除され、さらに政府の方針としてイベントの開催制限の段階的な緩和が示されたことから高野連は中止となった夏の甲子園の期間中にセンバツの出場校を甲子園球場に招いて大会を開催する検討を始めました。
さらに今月1日には甲子園球場を本拠地とするプロ野球・阪神の谷本修球団本部長が、高野連の取り組みには「できる限りの協力をしたい」という意向を明らかにしました。
こうした中、高野連は甲子園球場と開催に向けた具体的な協議を進めた結果、最終的に各校1試合ずつの交流試合として大会日程を絞れば、32校すべてを甲子園球場に招待することが可能と判断し、交流試合の開催を決めたということです。
一方、大会の方式についてはトーナメント戦での実施も協議しましたが、勝ち上がったチームが長期間滞在することになり、感染のリスクを避けられないことから見送られることになりました。
高野連の八田会長は10日の会見で、「新型コロナウイルスを巡る状況は変わりつつあり、球児たちへの約束の実現が可能と考えた。交流試合の決定は高野連の挑戦であり、次なる挑戦へ向かう高校球児へのメッセージと受け取っていただきたい」と説明しました。

【感染防止対策は】
日本高校野球連盟は感染リスクを抑えながら交流試合に参加してもらうため、チームの移動に貸し切りバスを活用するなどの対策を取るとともに、試合での感染防止対策のガイドラインも作成することにしています。
交流試合の開催にあたって高野連では、移動の際の不特定多数の人との接触を避けるため、関東から西のチームは貸し切りバスで移動するということです。
また、長距離の移動となる北海道と東北の学校については、関西の空港や駅から貸し切りバスで移動するということです。
また、チームの滞在期間については近隣校は日帰り、それ以外の地域でも試合前日と当日の2泊3日以内としています。
また、試合での感染防止対策についても高野連が先月、都道府県の高野連による独自の大会に向けて作成したガイドラインをベースにまとめることにしています。
具体的には、選手や関係者の検温やベンチなどの試合ごとの消毒の実施、水分補給での回し飲みの禁止、さらには素手でのハイタッチや握手を控えることなどを盛り込むことが検討されています。
一方、招待校の選手などに新型コロナウイルスの感染者が出た場合の対応については感染症の専門家の意見を踏まえ検討していくということです。

【頑張れ十勝勢 招待の32校】
交流試合に招待されたのは、ことしのセンバツ出場が決まっていた32校です。
北海道は2校で白樺学園と21世紀枠で初めてのセンバツ出場が決まっていた帯広農業です。
東北は3校です。
山形の鶴岡東高校と宮城の仙台育英高校、それに21世紀枠でセンバツ出場が決まっていた福島の磐城高校です。
東京を含む関東は6校です。
群馬からは桐生第一高校と去年秋の関東大会を制した高崎健康福祉大高崎高校の2校です。
このほか、埼玉の花咲徳栄高校、山梨学院、去年秋の東京都大会で優勝した国士舘高校、神奈川の東海大相模高校です。
北信越はいずれも石川で去年秋の北信越大会で優勝した星稜高校と日本航空石川高校です。
東海は3校です。
静岡の加藤学園は春夏通じて初めての甲子園出場が決まっていました。
このほか、去年秋の明治神宮大会で優勝した愛知の中京大中京高校と県立岐阜商業です。
近畿は6校です。
奈良からは智弁学園と去年秋の近畿大会を制した天理高校の2校です。
大阪からはおととし春夏連覇を達成した大阪桐蔭高校と去年夏の甲子園で初優勝した履正社高校の2校です。
このほか、智弁和歌山高校と兵庫の明石商業が招待されました。
中国は4校で、去年秋の中国大会で優勝した岡山の倉敷商業、鳥取城北高校、広島新庄高校、島根の平田高校です。
平田高校は21世紀枠で春夏通じて初の甲子園出場が決まっていました。
四国は香川の尽誠学園、高知の明徳義塾高校の2校です。
九州は4校です。
長崎の創成館高校、大分の明豊高校、大分商業、鹿児島城西高校です。
鹿児島城西は春夏通じて初めての甲子園出場が決まっていました。
招待した高校が出場できなくなった場合は、原則としてセンバツの際に選ばれていた各地区と21世紀枠の補欠校が出場するということです。

【一方「夏」の大会は】
センバツ高校野球と同様に中止となった夏の全国高校野球の救済策として各都道府県の高校野球連盟は、地方大会に代わる独自大会の開催を検討していて、10日までにあわせて42の高野連が大会を開催する方針を決めています。
NHKの取材によりますと、夏の全国高校野球の中止を受けてことしの夏に独自の大会を開催する方針を決めた高野連は10日までに全国で42の都道府県にのぼっています。
このほか、宮城、神奈川、山梨、福井の4つの県では現在、開催を検討しています。
具体的な大会の方式としては無観客での開催や、休日のみの開催、各校1試合の対抗戦などのほか、移動による感染リスクを抑えるため、地区ごとにトーナメントを行うなどといった案があがっています。
一方、福岡は新型コロナウイルスの感染リスクが残っているなどとして、全国で唯一、開催しないことを決めましたが、県内の野球部の監督の有志が集まって、学校対抗の交流戦を開催することを発表しています。

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