「ただいま。玉手箱を舞い降ろすことができました」。探査機「はやぶさ2」運用チームを率いる宇宙航空研究開発機構(JAXA)の津田雄一プロジェクトマネジャーは6日午後、試料カプセル回収を報告する記者会見で、いたずらっぽく笑ってみせた。カプセルには小惑星「りゅうぐう」の砂が入っているとみられ、「中を開けるのが大変楽しみ」と期待を込めた。
試練の連続だった初代はやぶさと比べ、6年に及ぶ往復52億キロの飛行を順調にこなしたはやぶさ2。津田さんは「メンバーは本当に良くやったと思う」と仲間をねぎらった。
初代はやぶさの経験を踏まえ、「決して安心せず、慎重に判断しながら一歩一歩やってきた」と強調。カプセルを無事に帰還させ、「夢には見ていたが、こんなうれしい気持ちになるのは想像していなかった」とほほえんだ。
会見ではカプセルが着地するまでの過程を淡々と説明した津田さん。しかし、大気圏に突入したカプセルが流星のように光を放つ映像が紹介されると、スクリーンを見詰め満足げにうなずいた。
津田さんの前任者の国中均・JAXA宇宙科学研究所長も「完全にコントロールされたミッション。エンジニア冥利(みょうり)に尽きる」と感慨深げ。「所長としてかなり厳しい指導をしたが、運用チームは大変良くやってくれた」とたたえた。
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