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Monday, January 11, 2021

Intel、TDP 35Wの「第11世代Core H35」。VAIOの次世代ハイエンドノートと思しきマシンをチラ見せ - PC Watch

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Intelの会見で公開された第11世代Core H35シリーズを搭載した薄型ノートパソコン。よく見るとタスクバーに「VAIOの設定」と思われるアイコンがあるので、これがVAIOの次世代機と見てほぼ間違いなさそうだ

 Intelは、CESに合わせて記者会見を開催し、第11世代Coreの追加製品などを発表。このなかで「Tiger Lake H35」の開発コードネームで呼ばれてきた、TDP 35Wの薄型ゲーミングノート向けのプロセッサを紹介した。

 第11世代CoreのH35シリーズには「Core i7-11375H Special Edition」と呼ばれるターボ時に5GHzに達する特別バージョンが含まれており、これまで提供されてきたUP3(12~28W)やUP4(7~15W)といった既存の第11世代Coreに比べて、性能が引き上げられたSKUとなっている。

 この第11世代Core H35シリーズを採用するノートパソコンとして、次世代VAIOと見られるマシンが記者会見中に公開された。これにより、今後VAIOからH35のCPUを搭載した製品がリリースされることが確実になってきた。

従来の28Wまでに対応できるUP3をTDP 35Wに拡張した第11世代Core H35シリーズ

開発コードネームTiger Lake Hの第11世代Core H35シリーズ(出典 : Intel)

 IntelのHシリーズのプロセッサは、ゲーミングノート向けにTDP 45Wの製品が提供されてきた。しかし、今回発表されたのは、これまで「Tiger Lake H35」というコードネームで呼ばれてきた新しいHシリーズの製品で、TDPは35Wになる。

第11世代Core H35シリーズの特徴(出典 : Intel)

 今回発表されたH35の最大の特徴は2つある。1つはTDPが35Wになり、薄型ノートパソコンにギリギリ入るレベルに引き下げられていること。

 そしてもう1つは、パッケージがすでに発表されているTiger LakeのUP3と同じものになり、CPUとPCHが統合されていることだ。従来のTDP 45WのHシリーズは、CPUとPCHは別のパッケージとして提供されていた。

 したがって、基本的には従来のUP3のTiger Lakeの熱設計(12~28W)の枠を、35Wに拡張したものがH35だと考えてほぼ間違いない。

 このため、H35の第11世代Coreでは、クロック周波数などが引き上げられている。たとえば、従来型のUP3の最上位モデルになるCore i7-1185G7は28W時のcTDP周波数(従来のベースクロックに相当)が3GHz、ターボブースト時には4.8GHzになる設定になっている。

 これに対してH35の最上位モデルの「Core i7-11375H Special Edition」ではcTDP up周波数(従来のベースクロックに相当)が3.3GHz、ターボブースト時の周波数が5GHzに引き上げられている。こうした強化により、IntelはCPU単体で比較すると従来の45WのHシリーズのCore i7-10980HKを上回る性能を発揮すると説明している。

性能(出典 : Intel)

 第11世代Core H35シリーズには3つのSKUが用意されており、「Core i7-11375H Special Edition」、「Core i7-11370H」、「Core i5-11300H」がそれで、スペックは以下のようになる。

【表】SKU構成(Intelの資料より筆者作成)
Core i7-11375H Special Edition Core i7-11370H Core i5-11300H
コア/スレッド 4/8
cTDPup周波数 3.3GHz 3.1GHz
cTDPdown周波数 3GHz 2.6GHz
最大Turbo周波数(シングルコア時) 5GHz 4.8GHz 4.4GHz
最大Turbo周波数(2コア時) 4.8GHz
最大Turbo周波数(4コア時) 4.3GHz 4GHz
メモリ LPDDR4X-4267/DDR4-3200
L3キャッシュ 12MB 8MB
cTDPup 35W
cTDPdown 28W

 なお、GPUに関してはすべて実行ユニット(EU)数96基のIntel Iris Xe Graphicsになる。単体GPUとの接続には4レーンのPCI Express 4.0を利用可能なほか、単体GPUを使わない場合にはそれをSSDの接続に利用することもできる。

VAIOからも第11世代Core H35シリーズが搭載されたハイエンド薄型ノートが投入される予定

製品を発表する予定のOEMメーカー(出典 : Intel)

 Intelによれば、第11世代Core H35シリーズは、今年(2021年)の前半にOEMメーカーのノートパソコンに搭載されて登場する見通しだという。そのOEMメーカーとして紹介されたのはAcer、ASUS、HP、MSIといったおなじみのメーカーだけでなく、日本のVAIOも含まれていた。

 そして搭載マシンとして紹介された製品のなかには、VAIOのパソコンには必ずインストールされているハードウェア設定ツール「VAIOの設定」と見られるアイコンが表示されており、これがVAIOの次世代ハイエンド薄型ノートである可能性はかぎりなく高い。

画面中央タスクバーのアイコンの右端がVAIOの設定と見られるアイコン

 過去にVAIOはTDP 28WのUプロセッサを搭載した薄型ノートパソコンという世界的に見てもまれな「VAIO Z」という製品を2015年にリリースし、2016年には第2世代のVAIO Zをリリースしているが、それから後継製品はリリースされていない。

 今回の製品がVAIO Zかどうかは不明だが、少なくともVAIO ZのようにTDPが高めで性能が高いCPUを採用した製品をリリースするということは明らかなわけで、今後VAIOからの続報を待ちたいところだ。

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