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Friday, June 12, 2020

「イスラエル・イラン」サイバー攻撃応酬の実態 - 東洋経済オンライン

各国の「能力強化、人材選抜方法」の中身とは

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イスラエル・イラン間の終わりなきサイバー攻撃の応酬は、下水道や水道施設、港湾など民間インフラにまで広がっている(写真:moovstock/PIXTA)

4〜5月にかけて、イスラエル・イラン間で下水道や水道施設、港湾などの民間インフラ施設へのサイバー攻撃の応酬があった。敵対関係にある両国間では、今までにもサイバー攻撃は行われてきた。しかし、国民の生活や生命にも関わる民間インフラ施設に対して、これだけ短期間に両国間でサイバー攻撃が行われたのは珍しい。

イスラエル政府の国家サイバー総局は、下水処理施設や揚水施設、下水道の制御システムがサイバー攻撃で狙われていると4月23日に警告を出した。そして、インターネットにつながっている制御システムのパスワードの変更などの対策を直ちに取るよう、エネルギー企業や水道・下水関連企業に指示した。パスワードが何らかの理由で変更できない場合は、制御システムをインターネットから切り離すよう求めている。

サイバー攻撃の目的は?

サイバー攻撃が行われたのは、4月24日と25日だった。イスラエル政府からは、制御システムや塩素制御装置のパスワードを変更するよう念押しした指示が出ており、サイバー攻撃で最も狙われた箇所はおそらくここではないかと考えられる。

4月24日、適切なサイバーセキュリティ対策が取られていなかったイスラエル中部の水道施設のポンプが一時停止した。幸い、すぐにポンプは動作を再開し、地元の住民や農家への水道供給が中断されることはなかった。

このサイバー攻撃の最終目的は、イスラエルの家庭用の水道水に入れる塩素量の増加だったのではないか、との見方も5月31日付のフィナンシャル・タイムズ紙オンライン版で紹介されている。イスラエルの4月の平均最高気温は摂氏25度前後だ。最悪の場合、イスラエル市民や農家が水不足に苦しめられるか、病気になってしまう恐れがあったとの報道もある。

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