7月より新設された、テレビ東京のドラマ枠「水ドラ25」のスタートを切った『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』(毎週水曜25:28~25:58)。『左ききのエレン』『SNSポリスのSNS入門』等、独自の視点が光る漫画家・かっぴーの人気コミックをドラマ化した同作で、女優の矢作穂香が主役のイエーガー・おしゃ子を演じる。
25歳の誕生日を迎えるまでに「おしゃ家(いえ)」に住む理想の男性を見つけなければいけないおしゃ子だが、理想が高いために毒舌で強烈なダメ出しを繰り返す。部屋にかけるちょっとした見栄やセンスなどをぶった切っていくおしゃ子の姿は爽快ながら、笑っている視聴者にブーメランの如く突き刺さるようで、新たなジャンルのドラマとなった同作。今回は主演を務めた矢作に、同作についての思いを聞いた。
■撮影で訪れた家に心からのツッコミ
――『おしゃ家ソムリエおしゃ子!』ドラマ化ということで、まずは企画を聞いたときの率直な印象をぜひ伺えれば。
もともと原作を読んでいたのですが、ドラマ化して演じるとなると、自分にはない要素がたくさんあるので、「大丈夫かな、自分におしゃ子ができるかな」と不安な部分はありました。おしゃ子は強烈なキャラですし、おしゃれな家についての話なので、しっかりと説得力を持って演じられるのかな? と。でも、とにかく「面白い作品にしたい」なという気持ちでした。
――もともと原作もご存知だったんですね。
漫画が好きなので、色々読んでいるんです。『左利きのエレン』も読んでいたので、WEBのリンクから『おしゃ子』に辿り着きました。でも、まさか自分が演じることになるとは……(笑)。
――「自分にない要素」というのは、どんなところだったんですか?
おしゃ子は周囲をツッコミ倒すキャラなので、自分にはそういう部分がないなと思いました。どちらかと言うと、ボケで……ボケたくてボケてるわけじゃないんですけど(笑)。でも、おしゃ子もつっこみたくてつっこんでいるわけではなく、家に行ったらツッコミ要素がありすぎるというだけなんですよね。そこが面白いところだと思います。
――おしゃ子のツッコミは笑えるところもあるんですが、「これ、自分のことだ!」とけっこうどきっとするところもあるなと思いました。
そういう感覚も、わかります。2話で「部屋が〇〇一色になりすぎている」というツッコミがあって、私もたまたまだったんですけど、部屋のインテリアがほぼIKEAになっていた時期があって。でも、せっかくそろえたので、それはもういいんじゃないかなと思います(笑)。かわいいなと思った小物を、少しずつ足していくとか、自分の色にしていけたらいいんじゃないかな。
――矢作さん自身もDIYをされていると伺いました。
もともと母がDIY好きで、一緒にやっていたらハマっちゃいました。今までに自分の部屋の壁を塗って、ウッドデッキを作って、あとは……ピザ窯! レンガを重ねて奥行きを出して、庭に置きましたし、私が薪担当でピザも何回か焼きました。でも、最近親が市販のピザ窯を買ってきちゃったんですよね。せっかく作ったのに……新しいほうが性能がいいので、私が作ったのはインテリアになっています(笑)。
――ピザ窯が作れるだけですごいと思います。先ほどボケタイプとおっしゃってましたが、最近ツッコミを入れたくなった出来事などはありますか?
それこそ、『おしゃ子』第1話で、コルビュジエのソファのレプリカが出てきた場面では、本気でつっこんでしまいました。現場で実際に置かれているところを見ると、部屋の小ささとの割合がすごくて「せま!」「近!!」と、心からつっこむことができて、楽しかったです。基本的にどの話も共感していただける話なのではないかと思っていまして、女性だったら「こういう男性いるな」、男性だったら「ここはだめだったんだ」と、学べることがあるだろうなと思います。
――毎回色々な個性の男性陣が出てくるところも面白さですよね。第1話では金子大地さんが、ベンチャー企業の社長役で。
金子さん演じる基陸ルゥ斗は、最初はキラキラしてすごく素敵なんですが、だんだん中身が出てきて、途中からムカついてきました(笑)。もちろん、おしゃ子としてです!(笑)でも、お気に入りもルゥ斗です。強烈すぎたので、印象に残っています。あとは今後出てくる俺王国(オレランド)役の袴田吉彦さんは本当にナルシストな感じで、立っていらっしゃるだけで面白くて、楽しみながら撮影しました。その回はドラマオリジナルの話で、見たことがないおしゃ子の表情も見られたりするんじゃないかな? と予想しています。
■新しいスタートとなる作品に
――強烈な作品が多いですが、テレビ東京さんではどのような番組がお好きなんですか?
『勇者ヨシヒコ』シリーズが大好きで、もう15回くらい観てます! 出たいです! シーズン4、やらないかな?(笑) ドラマ『鈴木先生』に出させていただいて、すごく面白い作品に携わらせていただいたと思ったので、今回もまた新たなジャンルの面白い作品で、とても充実しています。はっちゃけて、深いところまで描けるところがすごいと思います。
――今回は新しい枠のスタートということで、新型コロナウイルスの影響でドラマの撮影なども止まってしまっていた中で、すごいことだと思います。少人数ドラマのため、この状況下でも撮影しやすい環境だったそうですね。
新しいスタートを、華々しく切り拓ける作品になっていると思います。私自身も今回のお話をいただいて、外出自粛期間中に家の中で役について色々考えました。いざ撮影できるとなった時に、周囲の方の『おしゃ子』への思いもすべて教えていただいたので、その思いを背負って行こうという心持ちで演じています。
今回は新しい枠ですし、新しいジャンルでもあるので、楽しんでいただけたら嬉しいです。おしゃれな家についても、勉強できる作品になるのかなと思っています。やっぱり、まだまだおうちにいる期間が長いですし、この作品を見て「インテリアでも変えようか」と明るい心や希望を持っていただけたら嬉しいです。
■矢作穂香
1997年3月7日生まれ、千葉県出身。2009年に芸能界入りし、モデルや女優として活動。2013年3月、フジテレビTWOの『イタズラなKiss~Love in TOKYO』でドラマ初主演を務める。近年はドラマ『僕の初恋をキミに捧ぐ』『ボイス 110緊急指令室』(19年)、『ピーナッツバターサンドウィッチ』(20年)、配信ドラマ『今夜、勝手に抱きしめてもいいですか?』(18年)、映画『鯉のはなシアター』『いなくなれ、群青』などに出演。
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