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Wednesday, December 9, 2020

こんなに小さくてSSD!? しかもお手頃価格! いろいろ試してわかったバッファロー製“USBメモリ型SSD”の規格外っぷり - PC Watch

apaterpengaruh.blogspot.com

速さと軽さと持ち運びやすさを実感、ケーブルからの開放感がすごい

 SSD-PUTA最大の特徴はなんと言っても圧倒的にコンパクトなこと。重量は約17gと非常に軽く、胸ポケットやバッグに入れてもまったくジャマにならない可搬性を備えている。

 また、外付けHDDと違ってケーブルが存在しないので煩雑さがない。たとえば、TVの録画用のストレージとして、ケーブルをダラーンとと垂らすことなくスマートに直結できるのだ。そして可動部がなく静かなので、リビングはもちろん寝室のような場所で使うのにも快適だ。

スライド式コネクタでさらにコンパクト! 破損の心配も少ない

外観的にはUSBメモリとまったく変わらない
本体左側にスライドスイッチが配置
250GB版の実測重量は15.3g。カタログスペックの約17gよりも軽量だった

普通のポータブルストレージはケーブルを含めてとにかくかさばる

ケーブル接続型のポータブルHDDと並べるとSSD-PUTAのコンパクトさは一目瞭然。携帯性は段違いだ
ポータブルHDDの重量はSSD-PUTAのざっと10倍も

TVの番組録画用に使うのもアリ

録画機能を備えたTVにSSD-PUTAは最小限のスペースで直結できる

 外観はUSBメモリとまったく変わらないSSD-PUTA。USBメモリみたいだけどUSBメモリとは何が違うのか? それは以下の記事でも解説されているが、簡単に言えばUSBメモリはWindowsから「リムーバブルメディア」として、本製品のようなスティック型SSD(USBメモリ型SSD)は「ローカルディスク」として認識されるという違いがある。

 そのため、SSD-PUTAはGPT形式やダイナミックディスクへの変換が可能で、パーティション操作の自由度が高いのだ。もちろん一般的なUSBメモリよりも高速であることも見逃せない。

SSDなのでUSBメモリとはOSからの認識のされ方が違う!

「ローカルディスク」として認識されるSSD-PUTAは「エクスプローラー」ではなく「タスクメニュー」から取り出しを実行する
SSD-PUTAはGPT形式やダイナミックディスクへの変換が可能で、パーティション操作の自由度が高い

 SSD-PUTAはコンパクトなだけでなく、性能も優れており、USB 3.0接続時に全モデルでリード速度430MB/sが謳われている。

 実際にストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.0」で、同社のポータブルUSB HDD「HD-PCG500U3-BA」と速度を比較してみたが、SSD-PUTAはシーケンシャルリードで約3.9倍に相当する462.17MB/s、シーケンシャルライトで約3.4倍に相当する402.64MB/sのスコアを叩き出した。SATA SSD並みの速度が出ており、携帯性とスピードを両立しているわけだ。

USB HDDとの速度差は歴然! 3倍以上速い

SSD-PUTAのシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は462.17MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は402.64MB/s
ポータブルHDD「HD-PCG500U3-BA」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は119.20MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は118.79MB/s

 筐体の作りもしっかりしている。USB端子はスライド対応でキャップをなくす心配はなく、ストラップホールが用意されているのでキーホルダーなどからぶら下げておけば紛失する恐れは少ない。また、米国国防総省制定MIL規格「MIL-STD-810G 516.6 procedure IV」に準拠しており、高さ1.2mからの落下テストなどをクリアしている。

 NANDフラッシュにデータを記録するSSD-PUTAは、ポータブルHDDのように物理的に動作する機構が存在しないので、タフネス性という点でも比べものにならないほど頑丈だ。

スライド式コネクタなのでキャップをなくす心配はなし!

USB端子はスライド式なのでキャップをなくす心配はない。スライド機構もスムーズに動きつつも、しっかりと固定されるので、USB端子に差し込むさいに引っ込んでしまうようなことはまずないはずだ

ストラップをつけておけば紛失を避けられる!

携帯するさいに便利なストラップホールを装備。幅があるのでベルト式のストラップも装着できる

SSD-PUTAはどれだけ速いのか? 動画・写真編集で検証してみた

 大容量または大量のファイルを扱うような実際の利用状況において、SSD-PUTAがどれくらいの性能を発揮するのか気になるところだろう。250GB版「SSD-PUT250U3-BKA」と、上述した500GBポータブルHDD「HD-PCG500U3-BA」を使い、検証してみた。

 まずはWindowsのエクスプローラーを使って同一ドライブ内で約5分の4K動画(3.9GB)をコピー&ペーストしてみたところ、SSD-PUTAはポータブルHDDの約5倍に相当する24秒62で処理を終えた。大容量の写真や動画データをSSD-PUTAに読み書きするさいに大きな恩恵を受けられることは間違いない。

ファイルのコピペが圧倒的に速い!

 つぎにアプリケーションで動作速度を確認する。検証に利用したのは動画編集アプリ「Adobe Premiere Pro」と写真管理アプリ「Adobe Lightroom Classic」。Premiere Proでは約5分の4K動画(3.9GB)を同一ドライブ内でエンコードする時間、Lightroom Classicでは100枚のRAW画像(4.05GB)を同一ドライブ内で現像(自然→カラー)する時間を計測した。

ここで試したクリエイティブ向けアプリ

Adobe Premiere Pro
Adobe Lightroom Classic

 結果は、SSD-PUTAはポータブルHDDに対して、Premiere Proで約1.04倍に相当する4分42秒88、Lightroom Classicで約1.03倍に相当する7分22秒86で処理を終えた。ストレージの速度差がそのまま処理時間に反映されなかったのは、両アプリとも演算中にストレージの読み込み/書き込みを並行して実行しているためだと思われる。

ドライブ内でのエンコード処理の差を計測

ドライブ内でのRAW画像ファイルの現像処理の差を計測

 ただし、実際にアプリケーションを操作していると、ストレージの読み書きが発生するたびに両者の速度差を明確に体感できる。とくにその差が顕著に表われたのがLightroom Classicで、クイック現像で「カラー→自然」と選び「プリセットを適用」が完了するまでの所要時間。SSD-PUTAはポータブルHDDの約3.5倍に相当する39秒49という短時間で処理を終えた。つまり最終的なエンコード、書き出し作業よりも、数値化しにくい写真、動画の編集中の操作レスポンスにSSD-PUTAの高速性が活かされるわけだ。

作業中のレスポンスでは約3.5倍と決定的な体感差

動画・写真編集ではここが違ってくる!

Premiere Proではストレージからタイムラインに動画を直接インポートするときや、エンコードした動画が最終的にストレージに保存されるさいに、高速な読み書き速度の恩恵を受けられた
Lightroom Classicでは「書き出し」よりも、その前のクイック現像で「カラー→自然」と選び「プリセットを適用」が完了するまでの所要時間に、SSD-PUTAとポータブルHDDの間に大きな差が表われた

ゲームでも速さの違いは体感できるのか? パソコンゲームとPlayStation 4で検証

 次はゲームにおける性能をチェックしてみよう。最近の3Dゲームはプログラム・データサイズが大きくなっているので、外付けストレージをゲーム用フォルダとして利用している方も多いことだろう。

 そのようなユースケースを想定して、Core i7搭載ゲーミングノートに250GB版「SSD-PUT250U3-BKA」と、500GBポータブルHDD「HD-PCG500U3-BA」で、ゲームの起動時間、ロード時間がどれくらい変わるか計測してみた。テストに使用したのはSteam版の「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」だ。

 その結果だが、SSD-PUTAはポータブルHDDに対して、PUBGの起動時間は約2倍に相当する48秒22、「トレーニングモード」のロード時間は約2.8倍に相当する19秒77となった。ひんぱんにロードが発生するゲームほど、SSD-PUTAの高速性は威力を発揮するはずだ。

ゲームの起動・読み込み時間が2倍は高速に!

ゲーム用ストレージとしてもうってつけの使い勝手!

SSD-PUTAはポータブルHDDよりも手軽にゲーミングノートパソコンに装着できる。そのまま持ち歩いての移動もOK

 SSD-PUTAはPlayStation 4やPlayStation 5でも利用可能だ。とくにPlayStation 4では内蔵HDDをSSDに換装しなくても、SSD-PUTAをUSB端子に接続するだけで高速化できるのでメリットは大きい。一方、最新のPlayStation 5はPlayStation 5用ゲームを外付けストレージにインストールできないが、PlayStation 4専用の拡張ストレージとして利用可能。貴重な内蔵ストレージを節約できるのでぜひ試してみてほしい。

PlayStation 4に問題なく挿せる!

コンパクトなSSD-PUTAはPlayStation 4のUSB端子に直接接続できる

 さて今回はPlayStation 4の内蔵HDDとSSD-PUTAに「Detroit:Become Human」をインストールして、それぞれ起動後にクレジットが表示されるまでの時間を計測したが、SSD-PUTAはポータブルHDDに対して約1.4倍に相当する17.83秒で起動した。ゲームにおいて約7秒のロード時間の差は大きい。ゲーム中のステージ間のロード時間も大幅に短縮されるはずだ。

PlayStation 4でもその速さを体感可能!

 なお、バッファローの製品公式サイトには、PlayStation 4の「モンスターハンター:ワールド」のデータロード時間が内蔵HDDでは86.3秒だったところSSD-PUTAでは17.9秒と大幅に高速化されたとのこと。一度にロードするデータ量が多いほど、ストレージ高速化の効果は大きいわけだ。

PS4でSSD-PUTAを拡張ストレージに設定

(1)PlayStation 4では「設定→周辺機器→USBストレージ機器→SSD-PUTA」から「拡張ストレージとしてフォーマットする」を実行する
(2)内蔵HDDからSSD-PUTAにゲームを移動するさいには「設定→ストレージ→本体ストレージ→アプリケーション→ゲーム名→オプションメニュー」から「拡張ストレージへ移動する」を実行する

PS5でも拡張ストレージとして利用はできる

PlayStation 5に拡張ストレージを装着するさいには、前面ではなく背面のUSB端子を利用する
PlayStation 5に拡張ストレージを接続すると、以降PlayStation 4のゲームとアプリは拡張ストレージにインストールされる

サポートは国内大手のバッファローだから安心
万が一のときのためのデータ復旧サービスや暗号化機能も用意

 SSD-PUTAはパソコン周辺機器国内最大手のバッファローの製品。LINE、チャット、メール、電話などで手厚いサポートを受けられるのも大きなアドバンテージだ。また、本製品は「バッファロー正規 データ復旧サービス」対象商品。保証期間内の軽度の論理障害であればユーザー登録するだけで無償でデータ復旧してくれる。保証期間外の障害や中度の障害も固定料金で対応してくれるから安心感が高い。

 また、手軽に持ち運べるからこそ、万が一の紛失のために積極的に利用したいのが、無償でダウンロードできるバッファロー独自の暗号化ソフト「SecureLock Mobile2」。これは暗号化方式にAES256bitを採用したソフトで、ファイルをウィンドウにドロップするだけの簡単な操作でパスワードまたはパターンによる暗号化、復号化が可能。機密性の高いデータを持ち歩くさいには、ぜひ活用しておこう。

無償で利用できる暗号化ソフトを使えばデータの漏洩を防げる!

(1)SSD-PUTA内にインストールした「SecureLock Mobile2」を起動し、エクスプローラーから暗号化したいファイルを「パスワード方式」または「パターン方式」のエリアにドラッグ&ドロップする。なお複数のファイルを一度に暗号化したり(上限1万個)、フォルダごと暗号化することも可能だ
(2)ファイルを指定したら、スマートフォンのような認証パターンを入力し「暗号化する」をクリックする
(3)暗号化したファイルはSSD-PUTAの「SuperLockMobile2」フォルダ内に保存される
(4)上の写真のように誤ったパターンを入力してもエラーが表示されるので、暗号化したファイルのセキュリティが確保される。正しいパターンを入力すれば、「SuperLockMobile2」フォルダ内にファイルが復号される

SSD-PUTAシリーズの誕生はユーザーの声がきっかけ

 SSD-PUTAシリーズは、従来のポータブルストレージをより手軽に快適に使えるようにした新機軸の製品と言える。SSD-PUTAのような製品がどうして生まれたのか、バッファローにその経緯を確認してみた。

 まずSSD-PUTAシリーズだが、じつはその前身となった「SSD-PSMU3シリーズ」が存在する。こちらの製品もSSDを搭載しており、本体サイズが33×59.5×9.5mm(幅×奥行き×高さ)と十分に小さい。コンパクトなポータブルストレージとして好評ではあったものの、一部のユーザーから「本体の小ささ・軽さには満足しているが、ケーブルが邪魔」といった意見があったという。

 バッファローはそうしたユーザーの声を反映すべく、ケーブルレスの商品の企画をはじめたそうだ。それが今回のSSD-PUTAシリーズになるわけだが、SSD-PSMU3シリーズが発売されたのは今年(2020年)の3月であるため、製品化まで約9カ月ほどしかかかっていない。かなり速いペースで開発が行なわれたことがわかる。

 両者は似たサイズ感ではあるが、コネクタ部分も含めて内部構造は違うようで、SSD-PUTAシリーズの大きさのスティック型SSDを実現するには高速性を十分に発揮可能な部品の調達が必要だったそうだ。そしてその課題がクリアできたため、早期の発売ができたとのことである。

 バッファローはSSD-PUTAシリーズについて、写真や動画などを多く扱う人に好適としており、高速かつ大容量で持ち運びが簡便なSSDはそういった用途でのメリットが大きいという。また、最近のパソコンは標準でSSDが搭載されているものの、容量は低く抑えられている傾向があり、気軽に容量を追加できる外付けSSDとしての活用をおすすめしたいとしている。

[制作協力:バッファロー]

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