都心から少し離れると、東京都内といえど、のどかな景色が広がります。
時間がゆっくり流れる緑豊かなとある街の一角に暮らすのは、今年の春越してきたばかりだというEriさんとJunさん。
マンションやアパート、一軒家などさまざまな選択肢があるなかで、あえて「団地」という暮らし方を選んだおふたり。
隠れ家のような素敵な部屋に詰まったこだわりをうかがってきました。
お気に入りの場所
大きな窓からの開放的な眺め
家を選ぶ決め手となったひとつだというのが、眺めのよさ。
部屋に入った瞬間、気持ちいい開放感が広がります。
「いままで住んできた部屋もなるべく眺めがよかったり、近くに公園や河川敷があったりと自然を感じられるところを選んでいて。
いつも大好きなコーヒーを飲みながら、窓の外を眺めてのんびりしています。
窓の外に見えるのは落葉樹なので冬は少しさみしくなりそうですが、桜もあるらしく、春になったらお花見をするのが楽しみ」
ベランダには最近育て始めたというモロヘイヤやミント、ローズマリーが。
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かわいらしい自転車はtokyobikeのもの。
「以前住んでいた大阪で乗り回していて、ついに東京で乗れると思っていたら引っ越しの直前にパンクしてしまい……」とEriさん。
近くに自転車屋さんがないそうで、乗ってもらえる日をベランダで待機中のようです。
広々として、使いやすく整えられたキッチン
もうひとつ、部屋探しで大切にしていた条件だったというキッチンの広さ。
おふたりとも料理が好きらしく、並んで作業できるのでお気に入りなのだとか。
「整えてるつもりはあまりなくて、自然と使いやすいように配置されているかも。
道具も使いやすさ重視で集めています」
「何を作ろう?ってときはとりあえずせいろで蒸して、塩をつけて食べたらおいしい!
簡単だし、使う頻度の高いアイテムですね」
ほかにも、掃除がしやすいよう吊るして設置されたスポンジがあったかと思えば……、
サザエさん一家があしらわれたお箸や崎陽軒のシウマイ弁当に入っている醤油差しの箸置きなどチャーミングなグッズも。
どうしても物が多くなりがちなキッチンですが、ごちゃっとして見えないのはさすがです。
この家に決めた理由
ふたりが慣れ親しんだ団地暮らし
もともとはEriさんが大阪、Junさんが都内に住んでいたというおふたり。
一緒に暮らすタイミングで家を探すことになったのだとか。
「彼が子どもの頃団地暮らしだったことや私も以前URに住んでいたことがあり、URの団地を探していたんです。都内の団地をいろいろ見学しに行って、広さや家賃、日当たりなど条件に合ったのがこの部屋でした。
彼が子どものころ遊んでいた街の感じに似ていて、ワクワクしたと話していたのも決め手かな」
リモートでの部屋決め
「当時大阪に住んでいた私はコロナ禍ということもあり、こちらに出向くことが難しく、見学は彼に行ってもらうことに。
写真や動画を撮ってきてもらって、夜ビデオ通話をしながらプレゼンを聞いて『うーん、ここはイマイチ』とか言いながら意見交換していましたね。
ちなみに彼からは、近くの小さな商店街からSMAPが爆音で流れてきたのがよかったというのをやたらと推されました(笑)」
部屋探しをするうえで、今後も増えそうなリモートでの内見。
実際に大阪という離れた地から部屋を決めたEriさんからは、こんなアドバイスが。
「私は引っ越す当日まで直接見ていなかったので、初めて部屋に入ったときは『せまっ!』と思っちゃって。
写真や数字だといまいち実感が湧かず広く見えてしまうので、思っているよりも狭いと思ったほうがいいというのは言いたいですね」
気になるところ
想定よりも面積が狭かった
「本当は広さ60㎡以上で探していたんですが、この部屋は54㎡。
他の条件は満たしていたのでここに決めたんですが実はベランダ込みの面積で、部屋だけでいうと51㎡なんです。
とはいえ住んでみたらまったく気にならず、家具も想定していた場所には置けませんでしたが、いまの状態でしっくりきています」
エアコンがつけられない部屋がある
「寝室と作業部屋は、部屋の構造上エアコンをつけられないということが引っ越してから発覚……。
窓につけるタイプだと部屋の中が暗くなってしまうし、どうやって夏を乗り切るか悩んでいます」
お気に入りのアイテム
収納力たっぷりの大きな食器棚
引っ越しのために新しく購入したものがほとんどないという中で、唯一迎えたのがリビングにどっしりと構えるこの食器棚だそう。
「食器棚は、demode fukunakaというお店へ直接見に行って買いました。うつわが好きなこともあり、大きいものがずっと欲しくて。
下段の引き戸がないことで少しだけ安かったのですが、逆に使い勝手がよくてお気に入り」
置いてあるうつわや道具は、おふたりがそれぞれ持ち寄ったもの。
お鍋やケトルなど、よく見ると同じものが2つずつあるのも仲の良さがうかがえます。
韓国の伝統的な布「ポジャギ」
「目隠し用のカーテン代わりに使っているのは韓国の『ポジャギ』という布。
何年か前に日本で買ったものなのですが、適当にクリップで留めています」
「引っ越しは何度もしているんですが、部屋にあわせて物を買わないようにしていて。
カーテンも大きい布さえあれば意外となんとかなる。『寸足らずやけどまあええやん』みたいな(笑)。
寝室や作業部屋の窓も、インドの布をカーテン代わりに設置。透け感があるものが好きですね」
ふたりで育て中の鉄フライパン
「彼が持ってきた鉄のフライパン。
どこのお店のものかは知らないのですが、引っ越しをしてきてから毎日一緒に使って、一緒に育ててる感があってお気に入りです」
暮らしのアイデア
襖をベッドのヘッドボードに
「ベッドのヘッドボードは、リビングの襖(ふすま)を抜いて布をかけたもの。
以前住んでいた部屋でもやっていたんですが、どこにも置く場所がなく、たまたまベッドの上に置いてみたらサイズがぴったり。布をかけてみたらいい感じになったので、ここでも活用中です」
取材のなかで、一番驚いたこのアイデア。
“部屋にあわせて物を買わない”ということを大切にしているEriさんだからこそ、生まれた技かもしれません。
棚は置く場所にあわせてDIY
「以前住んでいたおうちで引っ越しをしたあとでも使えるように、と簡易で棚を作ったのですが、分解していまのおうちでも使えるように組み立て直しました。
とりあえず板さえホームセンターで買っておけばなんとかなるのでおすすめです」
テレビ台も同様に、以前使っていた棚とブロックを組み合わせて作ったもの。
ブロックの穴にリモコンがぴったり収納できるという、意外な使い道も。
洗濯機まわりに収納ラックを
タオルや洗剤など何かと物が多くなりがちな洗濯機まわりは、ニトリの収納ラックですっきり。
「ふたりが持ち寄ったタオルがたくさんあったので、店頭のディスプレイを参考に収納しています」
これからの暮らし
それぞれが持ち寄った家具や食器が至るところにあり、ふたり暮らしならではのあたたかな空気が漂う部屋。
キッチンの上をふと見上げると、何やら色紙のようなものが。
「引っ越しをしてきたときに家訓を作ろうってことになって。
私はごはんを作ったら洗い物をそのままにしたりしてしまうんですが、『面倒にならないうちにやるのがいいのよ、ひと手間よ』と彼が提案。
自然と家事はどちらかが気づいたらやるスタイルになっていて、ぶつかることもあまりないんです」
「東京ってこわいのかなって思ってたんですけど、ここはのどかで、まだ東京で暮らしている気がしないくらい。
彼は『いろんな街に住みたいな』と言っていましたが、私はずっとここでいい(笑)。これからもふたりのアイデアを出し合って、大切なものを共有したいなと思っています」
まだまだ始まったばかりの、ふたりの団地暮らし。
大きな窓から季節を感じられる部屋で、暮らしがどのように移り変わっていくのか目が離せませんね。
Photographed by Kenta Shibayama
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