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Monday, January 25, 2021

マイクロソフト、Xbox Live値上げを半日で撤回。基本無料ゲームはゴールド不要・オンライン無料へ - Engadget日本版

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マイクロソフトがオンラインサービス Xbox Live Gold の一部値上げを発表したのち、反発を受け即日撤回するできごとがありました。

マイクロソフトは短期プランの値上げが失策であったことを認め撤回するとともに、現在は有料のオンラインマルチプレイについて、基本無料ゲームについては無料とする新たな方針を発表しています。

従来はゲーム自体が基本無料でも、Xboxでオンラインマルチプレーヤーを遊ぶためには有料のXbox Live Gold 加入が必要でしたが、今後は本体とネット接続さえあれば無料で遊べるようになります。

Xbox live gold membership cards are shown for sale at a Microsoft retail store in San Diego January 18, 2012. Microsoft Corp's fiscal second-quarter profit fell very slightly as lagging computer sales to cash-strapped consumers in the United States and Europe hurt its core Windows business. Picture taken January 18, 2012. REUTERS/Mike Blake (UNITED STATES - Tags: BUSINESS SCIENCE TECHNOLOGY)

Mike Blake / Reuters

Xbox Live Gold は、マイクロソフトのゲーム機向けオンラインサービス Xbox Live の有料プラン。オンラインプレイやセーブデータのクラウド保存、加入者特典のゲームや割引などを含みます。プレイステーションでいう PlayStation Plus、ニンテンドースイッチでいう Nintendo Switch Online にあたるサービスです。

最短1か月から12か月までの単位で加入でき、米国での価格はそれぞれ1か月9.99ドル・3か月24.99ドル・6か月39.99ドル・12か月59.99ドル。他の多くのサブスクリプションサービス同様、まとめて加入すれば安くなる価格設定です。

マイクロソフトが発表して半日で引っ込めたのは、このうち短期の1か月および3か月利用権を、それぞれ1ドル・5ドル値上げして1か月10.99ドル・3か月29.99ドルにする計画。

値上げの理由として、Xboxコミュニティに継続的に投資してゆくため、以前より市場環境にあわせて価格の見直しや調整をしてきた、地域によっては数年あるいは10年も価格改定がない場合もあった等と説明していました。

あってないような説明ですが、一般論としては、ゲーム部門の収益のうち大きな部分を占めるこのサブスクリプションサービスを安定させるべく、相対的に割安になる6か月や12か月プランに誘導する意図が考えられます。

またマイクロソフトはゲーム事業の新たな柱として、定額制のゲーム遊び放題サービス Xbox Game Pass に力を入れています。こちらは既存の Xbox Live Gold に追加するプランのほか、最初から Xbox Live Gold 相当とゲーム遊び放題をセットにして、さらに追加特典つきで割安の Xbox Game Pass Ultimate プランもあります。

マイクロソフトとしてはもっとも加入してほしいのがこのゲームパス Ultimate サービス。加入を促す策として、Xbox Live Gold 加入者は既存プランの残り期間をそのまま1:1でゲームパスUltimateに転換できるアップグレードも用意しています。

(残り期間を転換すると、数十%から半額以下でゲームパスに入れることになる。敢えてXbox Live Goldに長期加入してから切り替えることで、最長3年分・数万円オフにする方法にも。Xbox Game Pass全部入りを半額以下で契約する方法。年間約8000円オフ、チャンスは加入前の一度きり )

短期間の加入権を割高にすることで、6か月や12か月のゴールド加入権、そしてゲームパスが相対的に割安になることは確かです。

即日撤回、「基本無料はオンラインマルチも無料」を追加発表

1月22日朝に発表したのはこのような内容でしたが、ゲーマーからは反発があり、マイクロソフトはこれを重く見て、早くも同日夜には撤回を発表しました。

マイクロソフトいわく、友人とつながり一緒に遊ぶことはゲーミングにとって欠かせない要素であり、毎日それを頼りにしているプレーヤーからの期待を損なってしまった、よってXbox Live Gold を値上げしないことを決定したとのこと。

あわせて、この状況を改めて「プレーヤーが中心」方針に照らしてXbox Liveを見直す機会とした結果、Free to Playゲーム、いわゆる基本無料ゲームについては、オンラインマルチプレイであってもXbox Live Gold加入を不要とする新たな施策を発表しています。

この基本無料ならオンラインプレイも無料は可及的速やかに、今後数か月のうちにも適用する見込み。

PS Plus は2019年に価格改定済。どこで差が出た?

ゲーム機のオンラインサービスの価格改定といえば、ほぼ同じ位置づけにある PlayStation Plus は2019年に、既存の1か月・3か月・12か月利用権のうち1か月・3か月について6割ほどの大幅値上げを実施していました。

ただしPSの場合、もとから単月と12か月で割引の幅がさほど大きくなく、値上げ後でも1か月850円なので、Xbox Live Gold の「まとめて加入したほうが大幅に割安」に近づけたといったほうが正確です。それでも、特に遊ぶゲームがあるときだけ加入する層からは一定の反発がありました。

マイクロソフトの Xbox Live Gold 価格改定について言えば、事業としての健全性のためには定期的な見直しが必要であること、あらゆる値上げに対して反発があることは一般論としては当然ではありますが、今回はいくらなんでもタイミングが悪かったというのが正直なところ。

新型コロナウイルス感染症の流行で経済環境が悪化し、消費者にとっても従来は問題なく支払えていたサブスクリプションサービスの見直しを迫られている状況であるうえに、マイクロソフトはロックダウンやステイホームで人と触れ合う機会が減ったことを受けて、ゲームこそ友人や家族とのつながりを保つ手段です、人をつなぎ不安やストレスを緩和して社会に貢献しますといった声明を繰り返してきました。

Xbox Live Gold加入者のうち、短期の利用権がどの程度の割合を占めるのかは公表されていないものの、柱となる長期加入者ではなく短期のみ、かつ10%から20%の値上げであれば、年間契約やゲームパスUltimateへの誘導効果を含めても大きな収益改善になるとは考えにくく、「経済状況の悪化でみな困っているところに、口ではゲームで人をつないで社会貢献を謳いつつ、長期加入する余裕がない層を狙い撃ちで値上げしてきた」と受け取られるリスクに見合うとは思えません。

こう考えると、慌てて持ち出してきたかのような「基本無料はオンも無料」策は、ゲームに支払える費用が少ない層にとって特に差となる点で一貫した施策といえます。

(基本無料ゲームはそもそものビジネス構造としてできるだけ多くのプレーヤーに遊ばせることが重要なため、また売り切りのゲームとは違いゲーム内購入で手数料を得られるため、オンラインサービス未加入者にとって大きなハードルを取り除くのは理に適っています。

オンラインプレイに有料オンラインサービスが必要かどうかは、プラットフォームとタイトルの組み合わせにより変わりますが、プレイステーションでもニンテンドースイッチでも、フォートナイトなど基本無料タイトルの多くは従来からPS Plus / Nintendo Switch Online加入不要でプレイ可能です。)

No Changes to Xbox Live Gold Pricing, Free-to-Play Games to be Unlocked [Update] - Xbox Wire

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