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Friday, July 29, 2022

新庄BIGBOSS率いる日本ハム 後半戦の巻き返しは - nhk.or.jp

プロ野球、日本ハムは前半戦を終えて、後半戦に入りました。新庄剛志監督が就任して注目された中、前半戦の成績は負け越し18で最下位。後半戦に巻き返しはあるのか、日本ハムOBでNHK野球解説の田中賢介さんに聞きました。ロングインタビューの全文です。(札幌局キャスター・渡邉美希) 

前半戦のBIGBOSS “勉強だった”?

渡邉:新庄監督が就任して前半戦が終わりましたが、どう振り返りますか。

賢介さん:
いいところもあれば課題も出た前半戦だったかなと思いますね。
これまでにないようなビッグボスの作戦とか選手の発掘とか今までになかった新しいことが生まれたと思いますね。
中継で解説をよくしますけど、解説をしづらい監督ですよね。
やはり僕らの常識ではないような作戦や起用法がたくさんあったので
そういう意味では私自身も新しい発見があったし
他の解説者もたくさんあったような出来事が多すぎたという感じです。

渡邉:前半戦で見えてきたチームの方向性はどうですか。

賢介さん:
前半戦はビッグボスが勉強した前半戦だったと思うんですよね。
むしろ監督自身のための前半戦だったかもしれない。
監督として思いきりやってみて、何が正解で何が間違いかという答え合わせをしたい前半戦だったと思います。
今まで思い描いていたことと『あ、こんなにギャップがあるんだと。後半戦はどういう作戦でいこうかなと』なんとなく定まった前半戦だったと思いますね。

賢介さんも驚き! BIGBOSSの作戦

渡邉:賢介さんが驚いたシーンはありましたか。

賢介さん:
たくさんありすぎてどれをチョイスしていいかわからないですけど。
ワンアウト三塁でのヒットエンドランとか、なかなかだなというのはあったし逆にノーアウト二塁でのエンドランはまずいなというのもありました。
これはビッグボスもやってみて、『ちょっと違うかな』と思ったでしょう。
ただ、やってみないと意外に分からないことも多いので、そういう意味では一通り試せたのかなと思います。
そのなかでも、選手が監督の作戦についていけていないことが比較的多かったかなと思います。例えば、ヒットエンドランをしたい、ベンチはこうやって打って欲しいけど、頭と技術がついていけていないというのがありました。
選手はサインが出そうな場面で、例えば、ノーアウト一塁とか、ワンアウト一塁、ワンアウト満塁とかで「何かサインが出るな」と思いながら打席に立っています。その心構えがあったうえで、準備をしっかりして打席に立つということは意識づけとしては良かったと思います。

賢介さんが見た! 選手の変化とは

渡邉:監督はキャンプから基礎を大切にしてきました。

賢介さん:
球場でしか目に付かないことですが、ファターズが一番変わったのは守備につくまでの姿ですね。ファイターズの伝統としては全力で走る、全力でプレーするということですが、守備につくまでの姿というのは、すごくきれいだった。
全力で選手がダーっと守備位置にまで走っていく。呼ばれたら走って行くという全力の姿が美しかったのですが、ここ近年は慣れてきて、ダラダラ行くという選手が増えてきた。そこをビッグボスが全力で行けと言っているので、選手の姿は去年とは明らかに違います。ビッグボスの現役時代から攻守交代でも全力というのはやっていたので、そこはいい方向に進んでいると思います。

渡邉:その変化がプレーにつながるのですか?

賢介さん:
あります。打てないとか、守れない時には、どうしても姿に出るじゃないですか。アナウンスでかんだら姿に出るじゃないですか。(笑)
背中に出ますので、そこで全力で守備に向かって走ることで、ぐっと切り替える作業がうまくいくようになる。姿を見せるだけというよりも、選手たちのメンタルの切り替えにも使えるので、いい効果が出てくると思います。

賢介さんの分析! 打撃は“第1段階”

渡邉:新庄監督は初球のストライクを打ちにいくことを徹底していますが、その効果は出ていますか。

賢介さん:
まず、ボールカウントでいうと、初球は絶対的に打率が高くなります。ファーストストライクの打率が高くて、追い込まれていけば、打率は低くなる。これは、全員が共通しているので、早く打てば打つほど打率はあがります。だから特にチャンスの場面では早く打たないと、打てません。ファーストストライクで思いきり振っていくというのは打撃の基本です。いまはこれを徹底させています。
そのうえで、選手には成長段階があります。次のステップでは、ツーストライクに追い込まれた後、どれだけ出塁をしていけるかです。
ファイターズは、打率は高いけど、出塁率はまだ低い。出塁率を先に求めると打率まで悪くなるので、まずは打率。そのあとに出塁できるような粘りの打撃をしていくという順番なので、今は第一段階ですよね。
次の段階になったときにファイターズ本当に強くなります。

渡邉:去年より、チーム得点、ホームラン数の順位が上がっていますね。

賢介さん:
去年までは出塁するけど、点が入らなかったのは、ファーストストライクを打てないからでした。ことしはファーストストライクを打っているから得点もホームランもついてきています。これまでのファイターズは出塁率の高い選手が多くいました。(楽天に移籍した)西川とか近藤とか。そういう選手を周りの選手が見すぎていたところはあると思います。まずは最初に打つというのが第1段階、その次に出塁率。そこまで行くと一流の選手になります。
だから、ここまでは合格点だと思います。得点が増えているのはしっかり課題を克服できているからだと思うので、野手に関しては、状態良く進んでいると思いますね。

賢介さんが注目! 上川畑大悟選手

渡邉:後半戦の注目選手は誰ですか。

賢介さん:
ルーキーの上川畑。ビッグボスが監督になって出てきた選手で、
そこは注目したい。まず何を注目するかというと、ショートというポジションは体力が必要です。ショートの守備の技術、バッティング技術はある程度、認めるところまできたと思うので、後半でバテることなく、ゴールできるかというのは注目したいです。プロでは1か月だけでなくて、6、7か月できるかどうかが大きなハードルなので残りの3か月をしっかり走りきれるかというのを見たいです。

渡邉:ルーキーで活躍していますが、もともとの印象はどうでしたか。

賢介さん:
アマチュア時代も見ていましたが、守備は抜群に良いという評価。
おそらくプロの中でもトップレベルに入るだろうと、そういう評価でした。
あとはバッティングがどれくらいできるか、というところでした。そこは想像より出来た、というが評価だと思います。アマチュアの時は、全然打てないということでしたが、2割8分台を打っているので、ここまで、できるのかと。
西武の源田選手が同じような感じだったので、源田選手がアマチュアの時は、守備は抜群、でも打てないといわれてプロに入ってきたが、すぐ打っていました。
ああいうモデルがいるので、源田選手のように欲しい。でも守備は源田選手に劣らず、すばらしいので、安定してできると思います。
スローイングも捕球もポジショニングも良くて、そうだし、野球感もある。歴代のショートで金子誠さん(現コーチ)と比べても、同等、むしろそれ以上にくると思います。

賢介さんが期待! 石川直也投手

渡邉:では、ピッチャーではどうですか?

賢介さん:
石川直也。やっぱり持っているものがすばらしくて、おそらく来年の抑え投手の筆頭候補になると思います。やはり抑えがきっちりしていないと、なかなかチームは安定しないので。おととし、トミージョン手術を受けて、リハビリに1年かかりましたが、抑えでどっしりと構えてくれればファイターズの強みになります。後半戦で20セーブするようなことがあれば、来年に向けて楽しみかなと思います。
そのためには、球速が戻っていないので、試合で投げながら、トレーニングしながら戻していく。152、153キロのボールを常時投げられるようにならないと、絶対的な抑え投手にならないと思う。今はカーブとかフォークとか、変化球でなんとか、かわしている状態です。最終的にはストレートでファウルを取って、フォークやカーブで空振りを取ってくようにならないといけないと思います。球速を上げるために後半戦で登板を重ねて、実戦感覚を養えるように投げていってほしいです。

賢介さんが展望 後半戦での巻き返しはあるか

渡邉:新庄監督は、今シーズンはトライアウトと言っていましたが、後半戦はメンバーを固定するという発言もしていますね。

賢介さん:
それは意外でしたね。1年間、もしかしたらこのままいくのかなという印象だったので、前半戦の中である程度わかったということかもしれませんね。監督は『全然優勝する気はありません』とか言っていましたけど、後半戦で選手を固定するというのは、勝ちにいくと思います。誰が勝てる選手なのかというのは見極めたと思うので後半戦の最初のスタメンは楽しみです。
最下位から3位のクライマックスシリーズ進出圏内まで差はありますけど、まだ狙える数字です。上位5チームが優勝争いをしていくなかで脱落するチームが1つ、2つと出てくるので、下からとらえていくと、意外と超えられる可能性があります。後半戦、勢いに乗って行く可能性があるので、下からの追い上げ具合を見て欲しいと思います。チームは全然、諦めていないので。

こちらも後半戦巻き返しを図るコンサドーレ!選手の素顔に迫る記事もご覧ください
「突破力」をさらなる強みに コンサ4年目 MF⑨金子拓郎選手

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