入浴剤「BARTH」を生み出し、現在プラントベースフード事業「2foods」を手掛けるTWO。
ユーザーに向けた付加価値の提供は、新しく発売した「2Protein」に至るまでのTWOのマーケティングの根底にある。 そこで、東義和社長に話を聞いた。
「入浴剤市場は500億円ほどで、上位のブランドが寡占状態にある。こういう時はほとんどイノベーションが起きないことが多い。安定した売上が得られるので、商品を改良する必要がない。しかし、安定した市場にはチャンスがある。この市場に付加価値商品を投入すると一定のシェアを取ることができる」と東社長は語る。そうして入浴剤「BARTH」が生まれた。
「睡眠や美容の切り口で、今までの入浴剤とは違った、綺麗になりたい、よく眠りたいからお風呂に入るといった、ソリューションとしての入浴剤の価値を訴求していった」。
また、入浴剤では珍しく無着色、無香料とした。パッケージデザインでは通常、機能性などの特徴を大きく分かりやすく表示している商品が多いが、「BARTH」では何も訴求せず、すでに流通している商品とは真逆の商品戦略をとったが、結果5年で約5%のシェアをとったという。
パッケージでは見た目の良さ、所有していることで得られる満足感を打ち出し、一度効果を感じた人は「BARTH」というブランドに愛着を持った。その積み重ねがムーブメントを起こし、ヒット商品になっている。
〈「2foods」でプロテイン市場に参入、習慣を変える「きっかけ」で愛着が生まれる〉
2023年3月に「BARTH」はアース製薬に事業譲渡を行っており、現在メイン事業になっているのが2021年からはじめたプラントベースフード事業「2foods」である。
今までのプラントベースフードのイメージを変えるような、おいしさやビジュアルを追求したプラントベースフードを開発。ブランド発足からさまざまな商品を展開してきたが、TWOの東社長が次に目を付けたのは、プロテイン市場である。
たん白質補給食品の市場は拡大傾向で、さまざまな商品がすでにある。コモディティ化(市場が活性化し一般的になること)している市場の中で、他とは違う付加価値を持った商品ができれば、ある一定のシェアをとることができる可能性があるという。
そこで、味の素グループのアミノサイエンスを活用し、タブレット7粒/パウダー1包の「2Protein」を1年半で作り上げた。
このタブレットとパウダーという形状にすることによって、シェイカーを使わずに摂れることや、摂取のシーンを広げることができる。今までのプロテインのユーザーのリプレイスを狙えるのではないかと東社長は話す。
「運動のハードルを下げるために、いつでもどこでも摂れるプロテインと、隙間時間を活用した『AnytimeExercise』をセットで打ち出しているが、それでは物足りなくなり、ジムに行く人が現れるかもしれない。このプロテインが習慣を変えるきっかけになれれば、ブランドに愛着が湧く。そこがブランディング上大事で、ここの過程は『BARTH』とも同じ」
習慣を変える「きっかけ」が、愛着を生む。ブランドへの愛着が継続すれば、習慣化し、安定した収益が得られる。ブランドから本体のTWOにも興味が湧き、TWOの出すプロダクトにも興味を示すと、好循環が生まれるのだろう。
〈大豆油糧日報2023年8月8日付〉
からの記事と詳細 ( TWO･東義和社長、今までにない付加価値の提供で、新たな市場を ... - 食品産業新聞社 )
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