ソフトバンクから1位指名された誉(愛知)のイヒネ・イツア内野手(18)は愛知県小牧市の同校で会見に臨み、目標とする選手は「柳田選手です」と明言し、将来的には走攻守すべてで前例のないプレーヤーになることを目標に掲げた。

「不安はない」と話していたが、事前公表していたソフトバンクの単独入札が確定するとほっとした表情を見せた。

「安堵(あんど)しました。(1位)評価していただいてうれしいです。育成からもたくさんの方が活躍されているすごい球団。これからも努力して、練習して、今までにないプロ野球選手になりたい。今は実力が足りていない。まずは食らいついていきたいです」。

決死の覚悟で飛び込むプロの世界。目指す選手は指名球団にいた。「柳田選手を目標にやっていきたい。誰もが憧れる強いスイングは魅力です。(同じチームで)めちゃくちゃうれしいです。まずは打撃指導を軽くでもしてもらえたらと思います」と控えめながらもアドバイスを希望。大型遊撃手としてポスト今宮が期待されるが「今宮選手も目標とする選手。いろいろ聞いてみたい」。さらに日本でまだだれも達成してない「40-40」(40本塁打。40盗塁)について問われると「その勢いでやっていきたい」と壮大な目標の実現に夢を膨らませた。

高校入学時は線の細い、非力な部員の1人だった。「中学のチームでは主力でもなく、遊撃手にした2年の夏までは外野手としても投手としても目立つ選手ではなかった」と矢幡真也監督(49)。それが同校野球部のフィジカル重視の運営方針が成長を加速させた。投手に挑戦させたら115キロだった球速は半年で140キロ。体重は入学から2年半で17キロ増え、スイングスピードも150キロまで伸びた。高校2年の6月に「遊び半分」(イヒネ)で遊撃手に転向したことで、ナイジェリア人の両親から授かった身体能力は芽を出し、一気に伸び始めた。

体を鍛えるだけではなく、チームメートとのごみ拾いも率先して行ってきた。「ホームランの素だと思って拾っています。それが自信にもなるし、運も呼び込むので」。育成実績の高いソフトバンクのプログラムが無限の可能性をさらに広げる可能性は十分だ。

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